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『八月のセノーテ』インタビュー映像

本チャンネル様による『八月のセノーテ』のインタビュー映像が公開されています。聞き手は大阪の toi books 磯上さん。

僕の個性的な髪型についてはさておき、物語のポイントを鋭く押さえていただいた磯上さんのおかげで、作者としても非常に満足のゆくインタビューです。
『八月のセノーテ』について、しっかり話すことができたと思っております。
読んだ方も、未読の方も、ぜひ見てみてください。

【動画の目次】
00:00 『八月のセノーテ』
07:30 多面的な「親子」というモチーフ
13:05 全方位に開かれている「読みやすさ」
16:59 まるで幽体離脱? 物語の世界を純度高く届ける
22:18 人それぞれが持つ寄る辺は案外似ているかもしれない
27:09 逃げること 逃げられないことに対峙する

です。

で、せっかくこのブログを見に来てくれた方々のために、動画の内容について少し触れておきますと、動画ではこの物語の元ネタ?みたいなところにも触れています。
この物語の舞台となった「沈む街」は実は20年ほど前に別の小説で描いた場所です。その時のタイトルは「沈む街に白い花」。ただその話は舞台だけが共通項で、物語は全然別物で、仁寡もりょうも登場しません。主人公は二十代の女の子です。
二十代なので、彼女は車でどこへでも行ける。
そこが本作とまったく異なるところです。

僕は作中に「スマホ」を出すことをかなり慎重に考える昭和生まれなんですが、それは時代錯誤だとは一概に言えないと思っていて、事実、仁寡とりょうが「車」を持っているだけでもうこの物語ではなくなってしまう。
彼らは自転車なんですね。
彼らの自転車がこの物語をつくったと言っても過言ではない。
だからスマホとか、車とか、そういう便利なものは何かの物語を生み出しもするが、同時に殺しもするのだと僕は常々思っています。

蛇足ついでに書いておくと、実は仁寡もりょうも、また別の過去作品の登場人物です。
その物語の中では彼らは大人で、車にも乗っています。
だから僕の中での仁寡とりょうは中学一年生ではなく大人で、実は僕からすれば、彼らの中学生時代を描いたのがこの『八月のセノーテ』なのでした。
その物語はいつかリライトして世に出したいなあと思ってるので、実現できるかどうかは分からないですが、気長にお待ちください。

ということで本チャンネル様、磯上さん、本当にどうもありがとうございました!

category:YouTube  |  2025.08.17

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