自作紹介「パパミテ!」
小説トリッパー2026年春季号に新作中篇「パパミテ!」が掲載されました。
前回の「チグの家」からちょうど1年。
ありがたいことに、無事に中篇3作目を発表させていただけることになりました。
これは簡単に書いていますが毎回毎回本当に大変な作業であり、プレッシャーであり、慢性的胃痛であり、こんなにストレスを感じているのになぜ自分がすくすくと太り続けるのか意味が分からない。
人体って不思議ですね。
さて「パパミテ!」ですが、内容に関しては、タイトルから推察されるように、親子のことを描いています。僕はデビュー作から一貫して親子のことをやってきたから、そういうタイプの作家さんなのだと思われるかもしれないのですが、これはべつに僕の長年のテーマというわけではなかった。
むしろ僕の創作の系譜からみればごく最近になって扱い始めたものであった。
であった、と過去形で書くのは、本作「パパミテ!」で一区切りつけることができた、という実感があるからだ。
親子の話に一区切りなんてつくのか、と思われるかもしれないが、ついたのだ。
だから本作は僕の小説人生の記念碑的なものになるだろうという予感がある。
小説のおかげで、自分でも思ってもみなかったような場所に辿り着くことができました。
小説が自分をどこかに連れて行く、といった小説の自律性については、「キャラクターが勝手に喋り出す」というよくある作家の言説を世間が冷笑的に見るきらいもあるが、やはりそうとしか思えず、そうとしてしか書けず、自律性のある物語が要求したものに作者が応えるという場面に何度も出くわした。今回は特に、作者が自由に選ぶのではなく、そうとしてしか語れない物語を書いたように思う。
選べない小説は、自由に選べる小説よりもはるかに信用できる。
そういうわけで自信作です。
ぜひ読んでみてください。
